胃バリウム検査時のトラブルについて 第二報

2020年07月01日
   前回に引き続き、胃バリウム検査のトラブルについて解説します。

(3)胃バリウムと過敏症
 分子量が大きいため、消化管から一切吸収されることのないバリウムには全身的な副作用を起こすことはまず、ありません。
しかしながらバリウム製剤を長期安定させるための保存剤がわずかながら製剤に混入されているため、数千人に一人前後の頻度で皮膚に過敏症を起こす方がおります。いわゆる、「じんましん」です。体幹部や頚部、時に顔面に、扁平に盛り上がる赤い発疹が散在する方がおります。
 検査終了直後~数時間で発現します。軽度なかゆみを伴う場合と伴わない場合がありますが、通常、一日限りで消失しますので。心配は要りません。
但し、翌年にも同じ症状が出る場合もありますし、出ない場合もあります。また、過敏症を呈する方の中には症状が2度目以降に強く出る場合がありますので、出来ましたらバリウム検査を胃カメラなどに切り替えるか、中止をしておくことが無難かと思われます。
 
 
(4)発泡剤による疼痛
 胃バリウム検査の際に用いる薬剤の一つが発泡剤です。通常は縮んでいる胃を広げて撮影しやすくする発泡剤、「ゲップ」を我慢してくださいと技師から言われるあの「薬」です。胃を拡張させて撮影することは、胃の病状を正確に評価するうえで、非常に大事ですので、ゲップを我慢していただくことは撮影上、非常に大事なことなのです。が、中にはこの発泡剤で体調不良をきたす方がおります。
 急に胃の中で泡立ちすると、(製剤量は常に一定なのですが、)ひとによっては、急性胃拡張をきたして、強い胃痛を感じてしまい、痛みやめまいで検査自体を中止とせざるを得なくなる方が、年間に数人いらっしゃいます。通常は、数分間休んでいただくうちに落ち着くことが殆んどなのですが、その休む時間が30分間前後と時間が少し長引く方もおります。そうした方は胃カメラに切り替えさせて頂くか、次回からの発泡剤を一回半分量として、2回に分けて摂取するよう指示しております。そして、2回の内服の間の時間は1~2分間とさせて頂きます。この1~2分間でも胃拡張症状の頻度も程度も十分抑制できます。
 
 
 
以上、(1)~(4)にて、胃バリウム検査についての注意事項について説明をさせて頂きました。正確な理解が安全、安心の検査実施につながると考えております。